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カテゴリ:1974年

北ぐにのとも子

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北ぐにのとも子

<ものがたり>
 北海道小樽市の冬。今夜も総合病院で老人達の看病をする井上とも子は、まだ17才。看護婦養成所を出たばかり。
 積丹半島の小さな牧場に育った彼女は、きびしい日々の生活の中で、年老いた祖母をいたわり、 大切にしながら働く父母を見て育った。 そのくせ彼女が物心つく頃の一家は、牧場を近代酪農に切りかえる為の一番苦しい時期で、父や母は子どもたちには、経済的にも心理的にもきびしかった。
 甘え盛りのとも子たちの淋しきを、慰めいたわってくれたのはおばあちゃん。 だからとも子はおばあちゃんの為なら、 どんな事でもしてあげたいと思うようになった。
中学だけで看護婦になる決心をし今の職場を選んだのも、くるしい生活の中で胸をはって働き、祖母を大切にする両親の生活から、人が人として働く事の本当の意味と、年寄りの面倒をみ、世話 をするのは、人が人として生きる為の当然の務めだと、彼女は彼女なりに学んだからだ。
 併し、今此の病院で接する多くの老人達の生活は、あまりにも淋しい。貧しく退院しても行き場のない人。豊かなのに自分から老人ホームに入ろうとする人。肉親からの手紙一つ来ず淋しさを施設の子らとの文通でまぎらわす老人、等々。疎外され、孤独なその姿に、とも子はとまどい、泣き、時には怒りさえ感じ、悩む。
 が、その喜びや悲しみの中から、彼女は今、老人達が必死に求めているものに気付きはじめてい る。 それは接する人の真心。そして誠意なのだと―。そのとも子はまだ真赤な顔の17才。今夜も心の中で、故郷の祖母に、語りかけるのだ。 「いつまでも長生きしてね。 いつまでも、 いつまでも元気でいてね……」 と。


文部省特選
教育映画祭文部大臣賞

貯蓄増強中央委員会
英映画社
カラー33分

製作 高橋銀三郎
脚本演出 酒井修
撮影 渡辺勇
照明 徳永忠
音楽 小沢直与志
録音 赤坂修一
製作担当 瀧川正年
キャスト 山内三砂江、本間文子吉川満子、岡崎夏子、和沢昌治鶴丸睦彦

日本の稲作 ―そのこころと伝統―

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日本の稲作 ―そのこころと伝統―

<解説>
 お米のひと粒ひと粒に神様が宿っておられる、そういって昔から日本人は米を大切にしてきた。それほど日本人にとって米は神聖な、貴重な生命の糧であった。
 このことはまた、稲をつくることがどんなに苦労な仕事であったかを示している。
 胸まで泥につかりながら苗を植える富山のアワラ田の田植なども、厳しい自然と斗いながら稲をつくった昔の農民の苦渋をひしひしと思わせるのである。
 稲作は天候や病虫害など、自然の条件に大きく左右される。丹精こめて植えた稲も、日本列島をしばしば襲う災害、中でも長雨や異常低温、ウンカの大発生などによって、致命的な打撃を受けることも決して少なくなかった。 日本の稲作にとって自然は絶村であり、 人力の及ばない神様だったのである。
 全国各地に今も伝承されている稲作に関するさまざまな祭りは、自然の脅威に直面しながら稲を作る農民たちの豊作を願う儀式であり、田の神を田に迎えて苗の無事を祈る行事なのである。
 この映画の主なる舞台江刺地方の、田植えのしぐさをまねる庭田植などは豊作を析願する最も素朴な表現であろう。
 日本人の生活と文化に深く根をおろしている数々の稲作の儀礼は、とりもなおさず我々の祖先の、心からなる祈りのあらわれであり、言い知れぬ苦難を物語っているのである。
 この映画は約一年半の長期にわたり、日本全国を北から南へと取材し製作したものです。


文部省特選
芸術祭最優秀賞
教育映画祭文部大臣賞

文化庁
英映画社
カラー42分

製作 高橋銀三郎
演出 青山通春
撮影 宮下英一、長井貢、千葉寛
音楽 真鍋理一郎
解説 竹内三郎
録音 赤坂修一
製作担当 瀧川正年

ヨーロッパの福祉都市 ―スウェーデンを訪ねて―

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ヨーロッパの福祉都市 ―スウェーデンを訪ねて―

<内容>
胎内から天国まで等と言われるのが、スウェーデンの社会福祉ですが、この国を訪れた取材班は、 まずさまざまな老人たちの生活ぶりを取材します。年金だけでくらしている老人夫婦の生活、公立の老人ホームでのくらしぶり、老人専用に作られたニュータウン内の住宅でくらす老人の生活、年金者ホテルでの生活ぶり………そして何処に行っても見られるのは、充実した設備と至れり尽せりの福祉対策です。映画はそのさまざまな形をていねいに紹介しますが、この国の老人福祉は衣食住の問題から老後の生甲斐という次の段階に入ったと言えそうです。この高度な福祉社会を支えているのは勿論若い勤労者たちですが、重い税負担を支えている彼らにはそれなりの悩みがあり不満を持っています。しかしこの福祉制度に誇りを持っていることは確かです。取材班はこうした人たちの負担した税金が何処でどのように働いているかを追って見ました。保育園で、学校で、身障者の家庭で、住宅難と言われる団地で、病院で………そして何処でも見られるのがやはり徹底した人間優先の福祉対策でした。もちろんこれは天国の話ではなく彼らが血のにじむ努力で築き上げたものですが、こう見てくると、スウェーデンの人々が、不満や悩みを持ちながらも、自分たちの福祉社会に誇りを持つことは当然だと思われます。さて私たちの道は……………


日本都市開発研究所
英映画社
カラー40分

協賛 クラレ不動産株式会社、三井不動産株式会社、日生不動産株式会社、西武都市開発株式会社
製作 高橋銀三郎
脚本演出 青山通春
海外取材班 瀧川正年、宮下英一、長井貢
音楽 真鍋理一郎
録音 赤坂修一
解説 鈴木健二
現地協力 藤井恵美
現像 東洋現像所

煙の恐ろしさ

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煙の恐ろしさ

日本損害保険協会
英映画社
カラー28分

推薦 自治省消防庁
指導 自治省消防庁、東京消防庁
監督 青山通春

個人学習

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個人学習

文部省特選
教育映画祭優秀賞

日本映画教育協会
英映画社
カラー27分

協力 全国視聴覚教育連盟
製作 高橋銀三郎
脚本・演出 青山通春
撮影 宮下英一、長井貢、千葉寛
照明 徳永忠
音楽 眞鍋理一郎
解説 鈴木健二
録音 赤坂修一
製作担当 瀧川正年

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